光のもとでⅠ
「ツカサ、インターハイ前なのでしょうっ!?」
「前にも言ったけど、もう一度言う。ここに来るのは負担じゃないから。そこでうだうだ考えたら怒るよ」
「……あの、私ももう一度訊いてもいいでしょうか」
「何」
 ものすごく嫌そうな顔……。ツカサは眉間にしわを寄せていた。
「私とツカサって本当に仲良かったのかな……」
 若干引きつり笑いの顔に手を添える。
「御園生さんか若槻さんに訊けば? じゃ、帰る」
 と、踵を返した。
「ツカサっ、来てくれてありがとうっ。それから、色々教えてくれてありがとう、それから、がんばって――じゃなくて、大丈夫だからがんばってねっ?」
 びっくりした顔が振り返り、
「ありがとう」
 小さな声でお礼を言われた。
< 2,110 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop