光のもとでⅠ
 たかがそれだけのことに、ツカサは私の知っている人なのだ、と少し安堵した。
 記憶……早く戻ればいいのに。
 あとのふたりはいつ来てくれるのだろう。
 でも、蒼兄よりも年上で、唯兄の上司ということは社会人なのだろう。
「そうそうに来れるわけもないよね……」
 でも、私の身体はいつまでこんな楽な状態が続くのかな。
 今は地味な痛みが続いているものの、顔をしかめるほどではなく、がんばらずとも耐えられる域だ。
 顔をしかめるほどの痛みでも、恐怖心は出てくるものの、そこまでつらくはない。
 けど、耐えられない痛みが襲ってきたときには涙腺が壊れたんじゃないかと思うほどに涙が出る。
 夜も眠れないくらいに痛くて、精神がどうかなってしまうんじゃないか、と思うほどに苦しくなる。
 あんなのはもう嫌だな……。
 激痛発作がきても、相馬先生が来るまでは楽になれない。
 やっぱり、相馬先生は会う前から超サド医師決定だ――。
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