光のもとでⅠ
宮川さんは若いけど美容室のオーナーだ。
通常、一スタッフが下の名前を呼び捨てにすることはない。でも、小宮さんは――。
「……小宮さんと宮川さんはお付き合いをされてるんですか?」
「そうなの」
小宮さんは嬉しそうに返事をしてくれた。
「私ね、もともとエバーグリーンの常連客だったの。実家も美容院なんだけど、やっぱりイケメン美容師に切ってもらいたいじゃない? それで通っていたの。美容学校を卒業してからそのまま乗り込んじゃった」
それはすごい……。
「最初は見向きもしてくれなくて、ただ指導してくれるだけだったんだけどねぇ……。男って案外押せば落ちるもんよ?」
小宮さんはニヒヒ、と笑った。
「翠葉ちゃんは誰かいい人いないの?」
「お恥ずかしながら、初恋もまだなんです……」
肩を竦めて答えると、「えっ!?」と小宮さんに顔を覗き込まれた。
通常、一スタッフが下の名前を呼び捨てにすることはない。でも、小宮さんは――。
「……小宮さんと宮川さんはお付き合いをされてるんですか?」
「そうなの」
小宮さんは嬉しそうに返事をしてくれた。
「私ね、もともとエバーグリーンの常連客だったの。実家も美容院なんだけど、やっぱりイケメン美容師に切ってもらいたいじゃない? それで通っていたの。美容学校を卒業してからそのまま乗り込んじゃった」
それはすごい……。
「最初は見向きもしてくれなくて、ただ指導してくれるだけだったんだけどねぇ……。男って案外押せば落ちるもんよ?」
小宮さんはニヒヒ、と笑った。
「翠葉ちゃんは誰かいい人いないの?」
「お恥ずかしながら、初恋もまだなんです……」
肩を竦めて答えると、「えっ!?」と小宮さんに顔を覗き込まれた。