光のもとでⅠ
 やっぱり、十七歳にもなって初恋がまだっておかしいのかな。
 でも、そう思える人がいなかったのだから仕方ない。
「いいなって思う人は?」
 訊かれて、瞬時に思い浮かんだのはツカサの顔だった。
「あっ、いるんだ~! かっこいい?」
「あ……えと、あの……好きな人かはわからなくて、気になる人というのもちょっと違って……。でも、頭に浮かんだ人はど真ん中ストライクで格好いいです」
 自分でも何を言っているのか意味がわからない。
「そっか、どんな人? 芸能人にたとえると?」
 矢継ぎ早に質問が飛んでくる。
 きっと、こういう会話やこのノリは職業病みたいなものなんだろうな。
 実のところ、今はもう髪の毛をお湯で流していて、これからシャンプーだ。
「芸能人って言われてもちょっとわからないです……。あまりテレビを見ないので」
「そっかー、残念っ!」
 因みに、宮川さんは誰が見ても格好いいと思うだろう。
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