光のもとでⅠ
 サイドは三十センチ近く切った印象。
 お尻が隠れるほどに長かった髪の毛が、今は腰よりも少し上にある。
 それだけで、ずいぶんとサッパリした気がした。
「はい、大丈夫です」
「じゃ、最後に前髪。頭のてっぺんから少し多めに取って重めにするけど、あとでちゃんと梳くから軽くなるよ」
「ガッツリ前髪があるとアップスタイルがかわいく作れていいよね!」
 小宮さんが会話に入ってきてあれこれヘアアレンジを提案してくれる。
「そうだね。前髪やサイドの髪の毛が少し短くて後れ毛があるくらいがかわいいんだ。今度ポップな感じのアップスタイルにしてみようか」
 宮川さんに言われて、ポップなアップスタイルとはどんなものだろう、と不思議に思う。
 悩んでいると、
「蓮くん、今日してもらってもいいかしら? このあと、クラスメイトがお見舞いに来てくれることになっているの」
「じゃ、ぜひ」
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