光のもとでⅠ
「タマキ、シュシュ持ってない?」
「もちろん持ってるっ!」
 バッグの中からガサゴソとポーチを取り出し、チャックを開けると色とりどりのシュシュが出てきた。
「翠葉ちゃん、どれがいい?」
「え……?」
「一個プレゼント!」
「でも……」
「翠葉ちゃん、もらってやって? こうやって誰かにあげたりしないと、そのポーチの中にシュシュがおさまりきらなくなるんだ」
 宮川さんが苦笑する。
「そうなの。こういうの、見てるとどうしても欲しくなって買っちゃうんだ。気づいたらこんなにたくさん。でも、頭はひとつしかないのよね?」
 困ったように口にする小宮さんがおかしかった。
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