光のもとでⅠ
「……良かった」
 でも、私はその頃に退院することができるのだろうか……。
 不安は消えない。
 早く症状が治まればいいのに……。
 早くいつもの自分に戻ってほしい――。

 十一時になると蒼兄と一緒に桃華さんと佐野くんが来た。
「翠葉っ!」
「桃華さん」
「ちょっとこれっ! まだ聞いてないでしょっ!?」
 桃華さんに差し出されたのは二枚のディスク。
 ……なんだろう。
「えっと……」
 私が困っていると、
「やっぱ忘れてるのかな」
 佐野くんが首を傾げた。
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