光のもとでⅠ
「六月に学校で翠葉のお誕生会やったの覚えてる?」
桃華さんがうかがうように私の顔を見た。
私は少しずつ記憶を手繰り寄せていた。
どうしてこんなに思い出すことが難しいのだろう……。
「……ドレスを着た気はするの」
でも、それ以上のことが思い出せない。
「もしかしたら、と思って久先輩から写真借りてきたわ」
と、アルバムを差し出された。
「それにしてもかわいいわね? 前髪があるの、なんだか新鮮だわ」
桃華さんにまじまじと見られて少し恥ずかしい。
「今ね、美容師さんが来てくれて、髪の毛を切ったあとにこの髪型にしてくれたの」
「「切ったのっ!?」」
桃華さんと佐野くんがびっくりした顔で訊いてくる。
「うん、三十センチくらい。今は腰よりも上くらいの長さ」
「焦った~……」
佐野くんがへなへな、とその場に座り込む。
桃華さんがうかがうように私の顔を見た。
私は少しずつ記憶を手繰り寄せていた。
どうしてこんなに思い出すことが難しいのだろう……。
「……ドレスを着た気はするの」
でも、それ以上のことが思い出せない。
「もしかしたら、と思って久先輩から写真借りてきたわ」
と、アルバムを差し出された。
「それにしてもかわいいわね? 前髪があるの、なんだか新鮮だわ」
桃華さんにまじまじと見られて少し恥ずかしい。
「今ね、美容師さんが来てくれて、髪の毛を切ったあとにこの髪型にしてくれたの」
「「切ったのっ!?」」
桃華さんと佐野くんがびっくりした顔で訊いてくる。
「うん、三十センチくらい。今は腰よりも上くらいの長さ」
「焦った~……」
佐野くんがへなへな、とその場に座り込む。