光のもとでⅠ

27

「翠?」
 うわっ――心臓がドクン、っていった。
「御園生さん?」
「はいっ」
 背後から藤原さんに声をかけられ、これ幸いとそちらへ身体を向ける。
 でも、ツカサに背を向けることができただけで、藤原さんには真っ赤な顔を晒していた。
「……問題なさそうね?」
 その言葉にコクコクと頭を縦に振り、でも、そのまま立ち去られても困ってしまうので、フルフル、と横にも振る。
「翠?」
 後ろから再度声をかけられて、また困る。
 なんだろう、これ……。
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