光のもとでⅠ
「……御園生さん、日に焼けたかしらね?」
 え?
「今日、屋上に行ったときかしら」
 藤原さんはこちらへやってきて、私の頬に触れた。
「やっぱり熱持ってるわね。アイスノン持ってくるわ」
 と、何事もなかったかのように病室を出ていった。
 藤原さん、ありがとう……。
「翠……?」
 いい加減この声の主を無視し続けるのは難しい。
 カチコチとした動作で振り向く。
「……すごい赤いけど、そんな長時間外にいたわけ?」
「……えと、どのくらいいたかはちょっとわからないかも」
 わからないというより、そんな事実はないのだ。
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