光のもとでⅠ
 作り笑いを浮かべると、
「別に、俺の記憶が抜け落ちたところで困ることはないからいいんじゃない? ま、思い正してもらえることに越したことはないけど……」
 言うとツカサはソファを立ち、
「いつまで床にしゃがみこんでるつもり? 髪が床につかなくなったからって、そんなところにしゃがみこんでたら冷える」
 差し出された手を借りると、ツカサはゆっくりと立ち上がるように段階を踏んでくれ、そのままベッドまで移動すると、「ベッドの上にいろ」と言うかのように視線で指図された。
 顔にアイスノンを当ててはいるけれど、ツカサの顔を見るたびに赤くなりそうでちょっと困る。
 私、以前はどうツカサと接していたんだろう……。
 何か話しをしたら気が紛れるだろうか。
< 2,163 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop