光のもとでⅠ
「緊張してる……?」
「それ相応に」
 それはそうだよね。
 泣く子も黙る高校総体――インターハイだ。
「翠、今日は痛み、どんな具合?」
 顔を上げたツカサに訊かれた。
「少し痛いけど我慢できるレベル」
「お願いがあるんだけど……」
 お願い……?
「私にできることならなんでも聞くよっ」
「……なんで頼まれる翠がそんなに必死なわけ?」
「え……?」
 気づけば私は身を乗り出すほど必死に言っていたらしい。
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