光のもとでⅠ
「話しをしているととても落ち着くのに、ドキドキし始めると居心地が悪くなって、心臓の駆け足がちょっと大変なの」
『でも、それじゃ死なないから安心していいよ』
 それ、どこかで聞いたことがあるような気がする――。
 左手でこめかみのあたりを押さえつつ、記憶を手繰り寄せる。
「唯兄、それ……湊先生にも言われたことがあると思うんだけど、それもツカサのことだったのかな……」
『さぁ、それはどうかな……』
 それはそうだよね。
 唯兄に訊いてもわかるわけがない。
 これは湊先生に訊くべきだ。
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