光のもとでⅠ
29
翌朝、いつものように起きて藤原さんが持ってきてくれるホットタオルで顔を拭く。
朝食を食べてからは歯を磨き、今度は身体を拭いてもらう。
ルームウェアを着替えて、ひたすらぼーっとしていると、昇さんが顔を出してくれた。
きっと、相馬先生が帰国するまではこんな日が続くのだろう。
「調子は?」
「少しずつ痛みだしています。でも、こんなの全然かわいい」
苦笑を添えて返す。
「かわいい、か。まだ凶悪なやつじゃないんだな?」
そんなふうに返してくれる昇さんは、人に話しを合わせるのが上手だなと思った。
昇さん曰く、患者と医師のコミュニケーションをはかるための会話をする。
「外、行くか? 中庭なら暑くないだろ」
「嬉しい! でも、日焼け止め塗るのでちょっと待ってもらってもいいですか?」
「その年から紫外線対策か?」
「対策は対策……。でも美白がどうの、じゃないですよ。私、すぐに赤くなっちゃうから」
「あぁ、そういう体質か」
朝食を食べてからは歯を磨き、今度は身体を拭いてもらう。
ルームウェアを着替えて、ひたすらぼーっとしていると、昇さんが顔を出してくれた。
きっと、相馬先生が帰国するまではこんな日が続くのだろう。
「調子は?」
「少しずつ痛みだしています。でも、こんなの全然かわいい」
苦笑を添えて返す。
「かわいい、か。まだ凶悪なやつじゃないんだな?」
そんなふうに返してくれる昇さんは、人に話しを合わせるのが上手だなと思った。
昇さん曰く、患者と医師のコミュニケーションをはかるための会話をする。
「外、行くか? 中庭なら暑くないだろ」
「嬉しい! でも、日焼け止め塗るのでちょっと待ってもらってもいいですか?」
「その年から紫外線対策か?」
「対策は対策……。でも美白がどうの、じゃないですよ。私、すぐに赤くなっちゃうから」
「あぁ、そういう体質か」