光のもとでⅠ
 ご飯を少し残し、デザートのメロンを口にしたとき、
「昨日の電話の話しだけどさ……」
 言われて少し咽た。
「大丈夫?」
「大丈夫」
 どうしてか、ツカサの話しを出されるだけでも顔が熱くなる。
「真っ赤だね?」
 笑う唯兄が恨めしい。
「これ、次にツカサが来るときまでにどうにかしたくて……」
「んー……無理なんじゃん?」
「どうして?」
「そういうものだから」
 それじゃ困るんだけどな……。
「でも、今しか感じることのできないものかもしれないから、今はそれを堪能するくらいでいいんじゃないかな?」
 何がどう、とは言わずにそう言われる。
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