光のもとでⅠ
「……ピーターパンみたいなもの?」
「え?」
「ピーターパンは子どもにしか見えないし、あの世界には子どもしか行けないんだよ」
「……微妙にずれてるけど、でも強ち外れてもいない……かもしれない」
 どういうことかもう少し詳しく知りたかったのだけど、唯兄が頭を抱えてしまったので、それ以上は訊かないことにした。
「リィはさ、初恋いつ?」
 顔を上げた唯兄に唐突に訊かれる。
「……笑わない?」
「笑わない」
「……まだ、なの」
 私の言葉に唯兄は驚いた顔をして、「そうですか」とうな垂れた。
 笑われはしなかったけれど、妙な納得され具合にちょっと不服。
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