光のもとでⅠ
「……恋って、こういうことを言うの?」
「それはリィが感じて決めること、かな」
 唯兄は首を傾げた。
「私が、決めること……?」
「気持ちって掴みどころがなかったりするでしょ?」
「うん」
「その気持ちを捕まえて、気持ちに名前をつけてあげるのはリィの役目だよ」
 難しいな……。
「化学みたいに、これはなんとかって物質ですってあらかじめ名前がついていたらいいのにね?」
「……本当にリィは変なたとえが得意だなぁ」
 唯兄にまじまじと顔を見られた。
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