光のもとでⅠ
 今はそんなに痛くない。
 今を逃がしたらいつ電話をかけられるかなんてわからないのだ。
 でも、ツカサは明日から試合で電話なんて状況ではないのかな……。
「私は電話したいと思うけど……。でも、ツカサはそれどころじゃないよね」
「なら、余計にかけてやれば?」
「え……?」
「翠葉が応援してるって気持ちを伝えてあげればいいんじゃないかな。今なら宿舎にいるだろうし」
 ……いいのかな。
 考えているうちに、蒼兄が車椅子の用意を始めた。
 私は考えがまとまらないうちに車椅子に移り、携帯を握りしめていた。
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