光のもとでⅠ
「苗字のお話……立ち入ったことを聞いてしまってごめんなさい……」
「おかしな子ね? 最初に蓮が半分甥って言ったのは私よ?」
「でも……」
「ま、少し驚きはしたけれど……。蓮が甥であることよりも、私が藤宮の人間であるのかを先に訊いてくるあたり、御園生さんのセンサーって侮れないわね」
「……すみません」
「そんなに気にする必要はないわ。私、自分が不幸な生い立ちとは思っていないの。むしろ、あのまま両親のもとにいたほうがひどい人生を歩んでいたかもしれないわ。そのくらい、桜森での暮らしは幸せだったし、藤原に移って現在に至るまで、何不自由なくやらせてもらってる」
藤原さんがそう言うのだからそうなのだろう。
でも、何ひとつとして家庭に問題がない自分からしてみたら、ひどく壮絶な人生に思えた。
「おかしな子ね? 最初に蓮が半分甥って言ったのは私よ?」
「でも……」
「ま、少し驚きはしたけれど……。蓮が甥であることよりも、私が藤宮の人間であるのかを先に訊いてくるあたり、御園生さんのセンサーって侮れないわね」
「……すみません」
「そんなに気にする必要はないわ。私、自分が不幸な生い立ちとは思っていないの。むしろ、あのまま両親のもとにいたほうがひどい人生を歩んでいたかもしれないわ。そのくらい、桜森での暮らしは幸せだったし、藤原に移って現在に至るまで、何不自由なくやらせてもらってる」
藤原さんがそう言うのだからそうなのだろう。
でも、何ひとつとして家庭に問題がない自分からしてみたら、ひどく壮絶な人生に思えた。