光のもとでⅠ
 そんなことを考えていると、
「シャーベット、そろそろ食べごろよ」
 藤原さんに指摘されて慌ててスプーンを入れると、今度はしゃくり、と簡単に掬うことができた。
 自然の甘みときれいなグリーンが目に嬉しい。
 こんな色のガラス玉があったらずっと見ていたくなるだろうな。
 湊先生は朝が相当早かったのか、ソファに座るとコロン、と横になった。
 その姿を見て先日のツカサを思い出す。
 ツカサよりも少しだけ小さい。
「あのとき、面白いくらい真っ赤だったわねぇ」
 左側から藤原さんの声。
 きっと指摘されなかったら大丈夫だったのに……。
 改めて言われると、それだけでも顔が熱くなる。
 どうしようかな、と思っていると、
「好きになっちゃった?」
 追い討ちをかけるように訊かれた。
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