光のもとでⅠ
――好き。
きっと私は"好き"という感情を知っているのだろう。
初恋は済んでいるらしいのに、どこか掴みきれない気がする。
「好きかどうかはわからないんです。でも、一緒にいると安心できる。それに無駄に格好良くて困ります……」
藤原さんはクスクスと笑った。
「藤原さん……私、誰かを好きになったことがあるみたいなのだけど、その記憶が無くて……。でも、一度知った気持ちは記憶がなくてもわかるものだと思いますか?」
「さぁ、どうかしらね」
「……一度好きになった人を忘れても、また出逢ったら好きになると思いますか?」
「……そうだったらすてきだけど、しょせん私には答えられない類の質問ね。男を好きになることが理解できないから、そういう想像力は持ち合わせてないの」
きっと私は"好き"という感情を知っているのだろう。
初恋は済んでいるらしいのに、どこか掴みきれない気がする。
「好きかどうかはわからないんです。でも、一緒にいると安心できる。それに無駄に格好良くて困ります……」
藤原さんはクスクスと笑った。
「藤原さん……私、誰かを好きになったことがあるみたいなのだけど、その記憶が無くて……。でも、一度知った気持ちは記憶がなくてもわかるものだと思いますか?」
「さぁ、どうかしらね」
「……一度好きになった人を忘れても、また出逢ったら好きになると思いますか?」
「……そうだったらすてきだけど、しょせん私には答えられない類の質問ね。男を好きになることが理解できないから、そういう想像力は持ち合わせてないの」