光のもとでⅠ
 相談する相手を間違えただろうか。
 そんな話をしている間にシャーベットは溶けてしまい、私は飲むようにシャーベットを胃に流し込んだ。
 ねぇ、翠葉……私は誰を好きだったの――?

 シャーベットを食べ終わると、藤原さんは病室を出ていき、部屋には私と湊先生が残った。
 ソファーで横になっている湊先生からは小さな寝息が聞こえてくる。
 学校が夏休みに入ってからは、もしかしたら空いている時間に救急の助っ人に入っているのかもしれない。
「……疲れているのかな」
「かもな」
 急に聞こえたバリトンの声に息を止める。
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