光のもとでⅠ
「携帯が見当たらない」という蒼樹に唯くんが、
「あぁ、枕の下に隠してあると思う」
「なんで枕の下?」
「何か隠したいものでも入ってるんじゃないの?」
 兄妹ごっこをしているとは翠葉から聞いていたけれど、これでは本物の兄妹のようではないか。
 そんなふうに見える私の目はおかしいのかしら……。
「唯、ノートパソコン取って」
「それならMP3プレイヤーもだよね」
 なんとも息がぴったりなもので、次々と必要なものをピックアップしていく。
 共同生活をすると連帯感が生まれるとはいうが、そのようなものだろうか。
< 2,267 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop