光のもとでⅠ
 使っていいものなのか、誰が入れてくれたのか。
 きっと、そんなことを気にしては使えない、というのが翠葉だろう。
「だから、使っていいんだよ、ってことと、俺の名前が書いてあればそれでOK」
「「なるほど」」
 思わず蒼樹と声が重なった。
「あぁぁぁっ、この親子はっ! 俺、リィがまともに戻ったら、絶対にリィ取り扱い説明書に認定してもらうからねっ」
 どこか論点がずれている気はしなくもないが、それはそれでいいのかもしれなくて……。
 なんだか、自分の娘がとても幸せな子に思えてきた。
 家族でもないのに、実の家族よりも理解を深めてくれている子がいる。
 そのことに翠葉は気づいているかしら……。
 そこへ携帯が鳴った。
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