光のもとでⅠ
九階、ナースセンター前で軽く会釈をし翠の病室に目をやると、ドアは開いていた。
寝ているのを起こすのは嫌でそっと中へ入る。と、翠は体を起こし携帯を耳に当てていた。
その携帯を目の前にかまえては、「どうしようかな」と口にする。
「ここ、携帯禁止だけど」
「あ……」
俺に気づいた翠は急に涙を零した。
なんで――。
「なんだよ、そんなにきつく言ってないだろっ!?」
「違……。先輩が目の前にいたから」
「……は? とりあえず携帯」
携帯を取り上げると、電波マークは一本も立っていなかった。
寝ているのを起こすのは嫌でそっと中へ入る。と、翠は体を起こし携帯を耳に当てていた。
その携帯を目の前にかまえては、「どうしようかな」と口にする。
「ここ、携帯禁止だけど」
「あ……」
俺に気づいた翠は急に涙を零した。
なんで――。
「なんだよ、そんなにきつく言ってないだろっ!?」
「違……。先輩が目の前にいたから」
「……は? とりあえず携帯」
携帯を取り上げると、電波マークは一本も立っていなかった。