光のもとでⅠ
「翠、気持ちはわからなくないけど、そこまで驚かなくても……」
本当に世話の焼ける――。
胸もとできつく握りしめられた手を取り適度に力を加える。大丈夫だから、とそんな思いをこめて。
すると、同じように握り返されたけど、たぶん本人は無意識。
「昇さんも、あまり変な現れ方しないでください」
「あぁ、悪いな。つい、だ。つい……。それにしても一日に二回も驚かれるとは思わなかったぜ」
「……二度目って?」
訊くと、まるで恒例行事にでもなるんじゃないか、という朝のエピソードを聞かされた。
「で、おまえは涼さんとそんな話ばかりしてるのか?」
「会話がなくて困ったときには使いますよ」
本当に世話の焼ける――。
胸もとできつく握りしめられた手を取り適度に力を加える。大丈夫だから、とそんな思いをこめて。
すると、同じように握り返されたけど、たぶん本人は無意識。
「昇さんも、あまり変な現れ方しないでください」
「あぁ、悪いな。つい、だ。つい……。それにしても一日に二回も驚かれるとは思わなかったぜ」
「……二度目って?」
訊くと、まるで恒例行事にでもなるんじゃないか、という朝のエピソードを聞かされた。
「で、おまえは涼さんとそんな話ばかりしてるのか?」
「会話がなくて困ったときには使いますよ」