光のもとでⅠ
「父が来たら、屋上にいると伝えてもらえますか?」
「それは司くん付きでって言ってもいいのかしら?」
 それは俺も知りたい。
「……えぇと、内緒で」
「わかったわ」
 エレベーターに乗り尋ねる。
「俺、透明人間でいいんだ?」
「……はい。ひとりでがんばってみます。でも、だめだったら助けてください」
 思わず苦笑する。それは翠も同じだった。
「了解」
 こういうところで逃げない翠が、少しすごいと思った。
 エレベーターが屋上に止まりドアが開く。
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