光のもとでⅠ
翠葉、父さんはさ、一応父親で、翠葉のことを十七年見てきたわけだ。
育ててきたって言えるほどたいそうなことはした気はしない。
ただ、一緒に暮らして見てきたんだ。
だから、わかるんだよ。
「こういう考えは親らしくないのかなぁ……」
少しでもその気負いを払拭してあげたくて――というよりは、自分の本音を話そうかと思った。
この娘は人の心にはものすごく敏感で、下手な嘘は通用しない。
「本当なら側にいてあげたいっていうのが親心なのかな、と。碧……母さんはその典型だろ?」
人形のような顔がコクリと頷く。
育ててきたって言えるほどたいそうなことはした気はしない。
ただ、一緒に暮らして見てきたんだ。
だから、わかるんだよ。
「こういう考えは親らしくないのかなぁ……」
少しでもその気負いを払拭してあげたくて――というよりは、自分の本音を話そうかと思った。
この娘は人の心にはものすごく敏感で、下手な嘘は通用しない。
「本当なら側にいてあげたいっていうのが親心なのかな、と。碧……母さんはその典型だろ?」
人形のような顔がコクリと頷く。