光のもとでⅠ
「あのね、私は人を傷つけたくなかった。大切な人なら大切な人ほど、ひどい言葉を投げたくなくて――でもね、会わなければ話すことがなくなるからって、そうやって人を遠ざけた時点で、私はみんなを傷つけてたんだよね」
確かにそうなのかもしれない。
でも、そんなに肩を震わせて言うほどのことじゃない。
「教えてくれた人がいるの。私は人を傷つけたくないって言ってて、実は自分が傷つくのも嫌なんだって。それは自己防衛だって。自己防衛で人を遠ざけたら、その人たちはその時点で傷を負うって……」
「……そうか」
そんな一言しか口にできなかった。
細く華奢な娘の両手を自分の手で包み込む。
自分が日焼けしていることには気づいていたが、翠葉の手と比べるとこんなにも色が違うのか、と少し驚く。
確かにそうなのかもしれない。
でも、そんなに肩を震わせて言うほどのことじゃない。
「教えてくれた人がいるの。私は人を傷つけたくないって言ってて、実は自分が傷つくのも嫌なんだって。それは自己防衛だって。自己防衛で人を遠ざけたら、その人たちはその時点で傷を負うって……」
「……そうか」
そんな一言しか口にできなかった。
細く華奢な娘の両手を自分の手で包み込む。
自分が日焼けしていることには気づいていたが、翠葉の手と比べるとこんなにも色が違うのか、と少し驚く。