光のもとでⅠ
「俺の好きな子、朗元のカップが好きな子が藤宮病院に入院している。十階の部屋を使わせてほしい」
『ほほぉ……そんなに彼女が大切かの?』
 のんきな返事は俺のことを面白がっているような響きをしていた。
「許可、下りるの下りないの?」
『わしのファン一号さんじゃからの。良い良い、第二を使うと良いじゃろ』
「ありがとう」
『じゃが、静の関係で使う人間がいないかの確認はしておくべきじゃな』
「了解。すぐに連絡する」
 通話を切り、静さんにかけ直す。
『秋斗から電話だなんて珍しいな』
 じーさんも静さんも、第一声が同じなのってどうなの……。
「翠葉ちゃんを十階に移動させたいんですけど、静さんの関係で使う予定ありますか? すでにじーさんの許可は得ています」
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