光のもとでⅠ
逸る気持ちを抑え、声に現れないよう精一杯気をつける。
「静さん、翠の容態は?」
「どうやら解離性障害の一種、解離性健忘というらしい」
解離性健忘――。
今までにも何度かそんな状態の翠を見てきた。
でも、そう特定するだけの材料はなかったはずだ。
しかも、部分健忘といえるほどの症状ではなかった。
嫌な予感に拍車がかかる。
「何か判断基準を満たすようなことがあったんですか」
尋ねると、静さんは「そうだな」とため息をもらした。
「秋斗と司の記憶だけがごっそりと抜け落ちているらしい」
何――?
「静さん、翠の容態は?」
「どうやら解離性障害の一種、解離性健忘というらしい」
解離性健忘――。
今までにも何度かそんな状態の翠を見てきた。
でも、そう特定するだけの材料はなかったはずだ。
しかも、部分健忘といえるほどの症状ではなかった。
嫌な予感に拍車がかかる。
「何か判断基準を満たすようなことがあったんですか」
尋ねると、静さんは「そうだな」とため息をもらした。
「秋斗と司の記憶だけがごっそりと抜け落ちているらしい」
何――?