光のもとでⅠ
「翠?」
 俺が声をかけると、びっくりしたのか身体がビクリ、と跳ねる。
 普通の声量で話しかけただけなんだけど……。
「……御園生さん、日に焼けたかしらね?」
 藤原さんは翠に近づくと、翠の頬に手を添えた。
「今日、屋上に行ったときかしら」
 あぁ、何?
 日中の暑い中、屋上なんて日焼けする場所に行ったわけ?
「やっぱり熱持ってるわね。アイスノン持ってくるわ」
 藤原さんは踵を返し、病室を出ていった。
 熱を持っててアイスノンが必要ってどのくらい焼けたんだか……。
「翠……?」
 自分でも確かめるべく声をかけるものの、翠はなかなかこちらを向かない。
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