光のもとでⅠ
「あぁ、これ、ありがと」
 自分にかけられていたタオルケットをたたみ、ソファの背もたれにかける。と、
「メガネをね……外そうと思ったの。何かの拍子に落としたら壊れちゃうかな、と思って」
 床にしゃがみこんだまま言う。
「何がどうしてあんなことになってたわけ?」
 なんとなく想像ができなくはないけど……。
「……あの、手を伸ばしたら届かなくてですね……近づこうとしたら……ルームウェアの裾を膝で踏んでしまって――」
 やっぱり……。
「もういい」
 言いながら、メガネのブリッジに指を添える。
 でも、このくらいは言ってもいいだろうか。
「ドジ」
 翠は、「ひどい」って顔でうな垂れた。
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