光のもとでⅠ
 誰にでも気さくに話しかけられる人間で、なんとなくそこにいるだけで場の空気が明るくなるような――ま、それも俺の持つ空気で相殺だけど。
 そのとき、携帯が鳴った。
 ディスプレイを見れば翠からであることがわかる。
 なんで……?
「見てるだけじゃなくて出ないと切れるぞ?」
 当たり前すぎる言葉に通話ボタンを押した。
「翠……?」
『そうっ、私っ――』
 っていうか、なんでそんなに大声で必死なわけ……?
「いや、番号でわかるけど……」
 返事はそこまでに留めた。
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