光のもとでⅠ
「今から言うこと、支離滅裂かもしれない――」
『いいわよ』
「そう言われて動揺した。……動揺よりも困惑かもしれない」
 素直にその言葉を受け取ることができなかった。
 翠の言葉に裏表がないことなんて百も承知だ。
 でも――。
『あの子、まだ秋斗先生と会ってないんでしょ?』
 携帯から秋兄の名前が聞こえてきてザワリとした。
『蒼樹さんの話だと、今の翠葉はかなりあんたに懐いているみたいじゃない。それも、記憶を無くす前から』
 確かに……。
 でも、それには色々な事情があって、翠が俺の面会しか承諾しなかったからだ。
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