光のもとでⅠ
「……わからない」
『わからない理由を考えなさいよ』
わからない理由――。
『あんたは翠葉が好きなんでしょ? なのに、好きだと言われて困る理由よ』
簾条のアドバイスはひどく的確だった。
「……翠が、まだ秋兄と会っていないから……」
『……何よ、わかってるんじゃない。つまり、抜け駆けしてるみたいで嫌なんでしょ?』
っ……!?
抜け駆けっていうか……。
でも、その言葉は間違いじゃない。
秋兄に会いもせず、自分に好意を抱かれても嬉しくはない。
嬉しくはないというよりは、素直に喜べない。
『何があったのか私は詳しく聞いていないけど――』
簾条は言いづらそうに口にする。
『わからない理由を考えなさいよ』
わからない理由――。
『あんたは翠葉が好きなんでしょ? なのに、好きだと言われて困る理由よ』
簾条のアドバイスはひどく的確だった。
「……翠が、まだ秋兄と会っていないから……」
『……何よ、わかってるんじゃない。つまり、抜け駆けしてるみたいで嫌なんでしょ?』
っ……!?
抜け駆けっていうか……。
でも、その言葉は間違いじゃない。
秋兄に会いもせず、自分に好意を抱かれても嬉しくはない。
嬉しくはないというよりは、素直に喜べない。
『何があったのか私は詳しく聞いていないけど――』
簾条は言いづらそうに口にする。