光のもとでⅠ
第10章 なくした宝物
01
なんだろう……。何かがものすごく気になる。
まるで誰かに見られている感じなのだけど、音という音は聞こえないし……。
そこまで考えてからゆっくりと目をあけると、知らない人がベッドの足元に立ち、私を見下ろしていた。
「よく寝てたな」
だ、誰っ!?
思わず、胸もとまでかけてあった羽毛布団を引き上げ、顔半分まですっぽりと隠す。
でも、目が離せない。
視線を逸らしたいのに逸らせなかった。
「昇から聞いてんだろ? 相馬だ、相馬。お嬢ちゃんの主治医になりにきてやったぜ」
ソウマソウマソウマソウマ――相馬。
まるで誰かに見られている感じなのだけど、音という音は聞こえないし……。
そこまで考えてからゆっくりと目をあけると、知らない人がベッドの足元に立ち、私を見下ろしていた。
「よく寝てたな」
だ、誰っ!?
思わず、胸もとまでかけてあった羽毛布団を引き上げ、顔半分まですっぽりと隠す。
でも、目が離せない。
視線を逸らしたいのに逸らせなかった。
「昇から聞いてんだろ? 相馬だ、相馬。お嬢ちゃんの主治医になりにきてやったぜ」
ソウマソウマソウマソウマ――相馬。