光のもとでⅠ
 えと――今、私、何を聞いたんだろう。
 湊先生が静さんの婚約者で十二月に入籍ってどういうことだろう……。
 完全にフリーズした私の頭はちゃんとした文さえも受け付けない。
「ええええええっっっ!? そうだったのかっ!?」
 微妙な間の末、昇さんが口にした。
 湊先生の顔は時間が経つにつれて赤く染め上がる。
「嘘……」
 思わず零れた私の言葉。
「翠葉ちゃん、病室を騒がせたうえに驚かせたね」
 にこやかに話しかけてくるのは静さんで、湊先生は「静のばかっ」と一言吐き捨てて病室を出ていった。
「おうおう、婚約者ともなると藤宮のナンバーツーを呼び捨てバカ扱いできるのな?」
 相馬先生が昇さんに訊くと、昇さんは何も口にせず苦笑していた。
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