光のもとでⅠ
 ますますもって意味がわからない。
「俺はそこのナンバーツーに国外追放されたんだよ」
 相馬先生は静さんを真似たように笑うけれど、どうやっても悪人にしか見えない。
「要はな、その頃からお姫さんはナンバーツーに囲われてたって話だ」
 ケラケラと話すのは相馬先生で、私と昇さんは何も訂正しない静さんを見て、「えええーーーっっっ!?」と絶叫した。
「だって、相馬が日本出たのって十年前の話だろっ!?」
「あぁ、もうそんなになるか?」
 相馬先生は言いながら空を見やる。
 どうしよう……。
 びっくりな事実に頭がいっぱいだ。
「今度はゆっくり来るからね」
 静さんはすぐに病室を去り、入れ違いで藤原さんが昼食を持って入ってきた。
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