光のもとでⅠ
「がんばってね……大丈夫だから――」
 携帯を手にぼんやりと口にする。
 電話やメール、色々あるけれど、思うことしかできなかった。
 すでに、これ以上ないくらいがんばっている人たちに言う「がんばれ」ほど過酷なものはないような気がして、必要以上に口にできない。
 それでも、ツカサはその言葉を欲した。
 そこにはどんな意味が、思いがあったのかな。
 ツカサはぶっきらぼうで無愛想でちょっと意地悪。
 表情も読みづらくてわかりづらい人だけど、嘘はつかない人だと思う。
 そんな人が欲した言葉――。
 それは最後の重圧になりはしなかったのだろうか。
「でも、ありがとうって言われた……」
 言って良かったのかな、と思えた。
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