光のもとでⅠ
 色々ぐるぐる考えていると、気づけば携帯を耳に当てているわけで……。
 何度も聞いた声と言葉。
 言葉、といっても一から十までの数ばかり。
 全部で十七回も言ってくれている。
 そういえば、一から十までの数にはどんな意味があるのだろう。
 どうして、一から十までの数だったのかな。
 ほかの言葉ではなく――。
 強いて言うならば、ツカサのように「大丈夫だからがんばって」とか、そういう言葉ではなく、単調なまでの一から十までの数。
 この録音データを聞いてる分には、その数だけに意味があって、ほかの言葉にはなんの意味もない会話に思えた。
 私はなんのために数を数えてもらったのだろう。
 ツカサは一から十までの数の意味を知っているのだろうか……。
「たぶん、知ってる……」
 だから、自分の携帯に録音されていないのはずるいと言ったのだろう。
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