光のもとでⅠ
「でも、藤宮秋斗さんはすぐに奥の部屋へ行ってしまったからあまり見られなかったけど……。なんだか、とても寂しそうに笑う人なのね?」
蒼兄は何も答えず、代わりに唯兄が口を開いた。
「リィ、違うよ。リィに見せるものだから寂しそうに笑ったんだ」
「え……?」
「それまで普通に接していた人が自分の記憶を失ったらさ、寂しく思ったっておかしくないでしょ?」
確かにそうなのかもしれない。
一部の記憶がないとわかったとき、私は錯乱した。
それと同じように、記憶を無くされた人もまた、何を感じてもおかしくはないのだ。
「悪いこと、しちゃったよね……。記憶を無くすなんて……」
「翠葉、記憶って無くそうと思って無くせるものじゃないでしょう?」
お母さんに言われて頷く。
「だから、翠葉が悪いわけじゃないのよ」
穏やかな表情で、労わるように言われた。
蒼兄は何も答えず、代わりに唯兄が口を開いた。
「リィ、違うよ。リィに見せるものだから寂しそうに笑ったんだ」
「え……?」
「それまで普通に接していた人が自分の記憶を失ったらさ、寂しく思ったっておかしくないでしょ?」
確かにそうなのかもしれない。
一部の記憶がないとわかったとき、私は錯乱した。
それと同じように、記憶を無くされた人もまた、何を感じてもおかしくはないのだ。
「悪いこと、しちゃったよね……。記憶を無くすなんて……」
「翠葉、記憶って無くそうと思って無くせるものじゃないでしょう?」
お母さんに言われて頷く。
「だから、翠葉が悪いわけじゃないのよ」
穏やかな表情で、労わるように言われた。