光のもとでⅠ
「だって、明日決勝でしょう? 邪魔にならないかなって」
『邪魔だと思えばあの男のことだから出ないわよ。かけてみれば?』
「……かけて、みようかな……」
『また近いうちにお見舞いに行くわ』
 その言葉で締めくくられ、通話は切れた。
「……やっぱり似てるよね?」
 通話を終えた携帯を見ながら思う。
 必要以上の会話をしないところがというか、女の子らしからぬあっさりとした受け答えに切り返し方。
 返答もズバズバと的を射たことを言われるし。
 それが嫌とかではなく、ほかの女の子――たとえば飛鳥ちゃんとは一味違うというか……。
 一味も二味も違う気がするのだ。
 それに、「百聞は一見にしかず」はツカサにも言われそう。
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