光のもとでⅠ
『どういう意味? 俺は俺しかいなくて当たり前だと思うけど……』
「んー……そうじゃなくて、こういうふうに話す人、かな。たぶん、ツカサくらいだろうなって思っただけだよ」
『あぁ、そういうこと。翠と会ったばかりの頃は、俺だって翠に怖がられてた。横に並んで歩けないって思われる程度には』
「えっ!? そうなのっ!? 今は全然そんなふうに思ってないよっ!? だって、早く会いたいものっ」
『………………』
 ――あ、れ? ……私、今何を言ったんだろう……。
 早く会いたい――。
「あ、えっと、その、あのねっ、病院嫌いだけど、ツカサが来てくれると病院っていうこと少し忘れられるし屋上に連れて行ってもらえるからっ――」
『……そんなの、兄さんに頼んでも連れて行ってもらえるだろ』
 そうなんだけど、そうじゃなくて――。
『……わかった。帰ったら屋上に連れていく』
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