光のもとでⅠ
 まだまだツカサが何をどう考えているのかはわからない。
 もっと知りたいのにな……。
 電話じゃなくて、会って話して色んなことを聞いて、知りたい――。
 無くした記憶も気になる。
 でも、私は――。
 その記憶以上にツカサのことが知りたい。
 それはおかしいことなのかな。

 携帯の時計は八時五十五分を表示していた。
「病室に戻らなくちゃ……」
 病院にいると、どうしてもひとり言が増えるなぁ、と思いながら点滴スタンドをカラコロと押す。
< 2,512 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop