光のもとでⅠ
「悪かったな。着替え中だとは思わなかった。……といっても、自分の年齢半分以下の嬢ちゃんに興味はないがな」
「私だってなんでもないですっ。ただ、さっきはちょっとびっくりしちゃっただけだもの……」
 紫先生にはいつも心音を聞いてもらっているし、楓先生にだって局部麻酔の治療を受けるときには上半身裸で打ってもらっている。
 昇さんにだって全身にブロックをしてもらっていたのだ。
 今さらそこに相馬先生が増えたところで何も変わらない。
 何より相手は先生なのだ。
 異性とかそういう前に、先生だから問答無用。それが当たり前。
「……問答無用の当たり前なのに、こういうの用意してくれるから……だから優しいと思っちゃうんですよ……」
 顔を上げると、どこか優しい顔をした相馬先生がいた。
「嬢ちゃんは気苦労耐えそうにねえな? 調子はどうだ?」
「悪くはないです」
「よし、じゃ、少し院内散歩に行こうぜ。朝飯前の運動だ」
「はいっ!」
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