光のもとでⅠ
 それだけ。
 でも、それ以上に伝えたい言葉はなかったし、指先も限界だった。
 何よりも限界だったのは睡魔かもしれない。
 メールを送ってほっとすると、私はそのまま携帯ゾーンのソファに横になって眠ってしまったのだ。
 おかしいな。
 最近は薬にもだいぶ耐性がついてきて、こんなに眠くなることはなかったのに……。
 そう思いつつも、頭の中はあっという間に霞がかってしまった――。



「嬢ちゃん、そろそろ治療始めてもいいか?」
 え、治療……?
 目を開けると、そこはいつもと変わらない病室だった。
「てめぇ、寝たけりゃベッドで寝やがれ」
 悪態をつくのは相馬先生。
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