光のもとでⅠ
 メールの返信がすぐにできたということは、私が携帯の通じるところにいるということで、それがわかったからこそ電話をかけてきてくれたのだろう。
『身体を冷やさないようにね』
 と、注意を受けて通話が切られた。
「ナンバーツーか?」
「はい。迷い猫さんが見つかったみたいで安心しました」
「はぁ? ……とりあえずいったん病室に戻って休め」
「そうします」

 病室に戻ると、相馬先生はソファに腰掛けた。
「痛みはどうだ?」
「そこまでひどいものではないです」
「……自分の身体を痛めつけるほどの我慢はどうかと思う。が、最悪を知っておくのは悪いことじゃない」
 それ――。
「To know the worst is good……?」
「くっ、ひでぇ発音」
 先生は笑ってから流暢な英語を話した。
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