光のもとでⅠ
「……ありがとう」
「素材はシルバーでも金でもなければプラチナでもなくステンレスだけど」
 そんなの気にならない。
「ありがとうっ!」
 手を伸ばしたら、伸ばした分だけチェーンが遠ざかった。
「ツカサ……?」
「交換条件とまいりましょう」
 にこりと笑って長いチェーンにとんぼ玉を通す。
「交換条件って……?」
 今度はどんな話題が降ってくるのかと思っていると、
「あのさ、秋兄に会わない?」
「……え?」
「藤宮秋斗、俺の従兄に会わない?」
「会うよ……? だって、いつか静さんが連れてきてくれるのでしょう?」
「そのときじゃなくて……明日、秋兄に会わない?」
 私はじっとツカサの顔を見る。
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