光のもとでⅠ
心によぎる不安を払拭するように、夕飯のときに得た新しい情報をツカサに話してみる。
「ねぇ、知ってる? 昇さんってお医者さんになる前はクーリエになりたかったんだって」
「……初耳。クーリエって絵画とかの修復師だろ?」
「うん、学芸員になって修復師になりたかったんだって」
「で、なんで全く関係ない職種に就いてるの?」
「私もそう思った」
思わず苦笑する。
ツカサは理解できないって顔をして、中指でメガネのブリッジをくい、と上げる。
「あのね、栞さんと結婚するなら医療従事者が都合いいと思ったんだって」
「……俺には考えられない。結婚を軸に考えて就職や職業を変えるとか絶対無理」
私も同じことを思った。
だって、もし結婚までたどり着かなかったら……と考えてしまうから。
いつか想いがなくなってしまったとき、後悔の念を抱きたくないから。
でも、昇さんは何か違った。
「ねぇ、知ってる? 昇さんってお医者さんになる前はクーリエになりたかったんだって」
「……初耳。クーリエって絵画とかの修復師だろ?」
「うん、学芸員になって修復師になりたかったんだって」
「で、なんで全く関係ない職種に就いてるの?」
「私もそう思った」
思わず苦笑する。
ツカサは理解できないって顔をして、中指でメガネのブリッジをくい、と上げる。
「あのね、栞さんと結婚するなら医療従事者が都合いいと思ったんだって」
「……俺には考えられない。結婚を軸に考えて就職や職業を変えるとか絶対無理」
私も同じことを思った。
だって、もし結婚までたどり着かなかったら……と考えてしまうから。
いつか想いがなくなってしまったとき、後悔の念を抱きたくないから。
でも、昇さんは何か違った。